檀家制度をもっと身近に!檀家制度をアップデートするには現代の日本人は特定の信仰宗教や宗教観を持っていないと言われています。 現状のこうした制度が根付いたのは、徳川幕府による政治的政策により始まった制度であります。 今の時代に「檀家制度」と聞くと、 しかし、昔は信徒がある寺院に登録して、寺院に貢献することで、寺院は主に精神的な支援を提供するという、お互いに利益のあるシステムでした。 人と人、家族間のつながりが希薄化している今だからこそ、お寺と信徒さんたちの新しい檀家制度が必要になっているのではと思います。 今回は過去の歴史を振り返りながら、檀家制度の未来について考えてみたいと思います。 檀家制度とは?身分保障制度も兼ねていた檀家制度檀家制度は、日本の仏教において、寺院と信徒の関係を規定するシステムです。つまり、ある寺院に対して、信徒が檀家として登録し、その寺院に対して貢献することで、寺院が信徒に対して精神的な支援を提供するというものです。 檀家制度のメリットは、以下の通りです。
豊臣秀吉によりキリシタン禁止令が出た後、「寺請制度」といい、武士や町民、農民を問わず、身分を問わず特定の寺院に所属し、その寺院の住職が自らの檀家であるという証明として「寺請証文」を発行していました。 檀家制度の歴史「寺請制度」として定着した「お檀家さん」の歴史は江戸時代ですが、檀家制度自体の歴史は実はもっと古いものでした。 中世になると、武士階級による寺院支配が進むようになります。檀家制度は寺院と武士階級との関係を規定するものとして機能するようになる一方で、庶民の信仰の場、集いの場として機能するようになりました。 檀家制度の課題先ほど紹介した「檀家であるメリット」は、精神的な安定だけでなくコミュニティでの身分を保証する大きな役割がありました。 他にも、現代のように各分野の専門家がいない当時は、家族の悩みも近所のもめごとも、お寺のお坊さんが解決してきました。現代に比べて、お寺やお坊さんが地域に貢献する役割も大きかったため、檀家制度に参加することは、私たちが思い描くよりもずっと大きな恩恵があったと考えられます。 そのため、檀家として加入しているメリットは少なくなっているのに、お寺への貢献は以前と変わらず求められるため、檀家制度の負担の面のみが強調されているのかもしれません。 檀家制度のアップデート社会や人々の考え方が変わっているのに、お寺の側の意識がアップデートしてこなかったことが「檀家離れ」や「宗教への無関心」を招いてしまったと考えてます。 鎌倉時代にも檀家を集めるために「現世利益」を掲げて、人気を集めるようとした寺院はありました。本来の仏教の教えとは遠い「現世利益」で信徒を集める姿勢に対し、同時代を生きた法然上人も いのるによりて病もやみ、いのちも延ぶることあれば、たれかは一人として病み死ぬるひとあらん」(祈ることで病気が治り寿命が延びるなら、どこに死ぬ人がいるだろうか) と否定的な態度をとっていらっしゃいます。 私が目指したいのは、本来のお寺の役割を現代に合わせたアップデートすることです。 具体的には…
他にも「檀家」という家単位のおつきあいから、個人単位のゆるやかなつながりをもつコミュニティの形成など、できることはまだまだたくさんありそうです。 「大変だな…」とは思いますが、大きな可能性とやりがいを感じています。 十念寺の檀家様を募っています十念寺はまだ新しいお寺で、檀家さんの数も多くはありません。 だからこそ、通例やしがらみに捕らわれない新しいお寺と檀家さんの関係を作っていけると思っています。 十念寺のテーマは「お寺ともっと自由なおつきあいを」です。 ✓受け継がれてきた仏さまの教えをもっと身近に感じたい などとお考えの方に気軽に参加いただける「檀家」様(年間5,000円)を募っております。 |
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