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住職の日記

介護者のための心の休息場所「介護者カフェ」

⼗念寺では、去年から「介護者カフェ」を主催しており、2カ⽉ に1度、医療・介護関係のスペシャリストを招いて講話と座談会を開催しています。

「介護者カフェ」は浄⼟宗が新たなお寺の取り組みとして、推奨している活動の一環で、全国各地で様々なテーマで⾏われています。

⾼齢化や担い⼿不⾜、⽼⽼介護にヤングケアラーなど、介護を取り巻く問題は多々取りざたされています。たいへん厳しい状況ではありますが、周りのサポートやア ドバイス、介護の当事者同⼠の情報交換を通じて、⼼休まる場を提供することを⽬ 指して活動しています。

今回は、⼗念寺の「介護者カフェ」の取り組みについてご紹介したいと思います。

介護者カフェとは?

介護者カフェは、家族などの介護を⾏う⼈々が⽇常の悩みや不安を共有し、情報を交換する場所です。

多忙な介護⽣活の中で、家族外とのコミュニケーションが乏しい⼈、介護が終わっ た後の喪失感を感じる⼈、またこれから家族の介護を始める⼈などが気軽に参加い

ただけます。

様々な背景を持つ参加者が気軽に交流できる場として、全国的に注⽬されています。

浄⼟宗のお寺が介護者カフェに取り組む理由

お寺と介護は⼀⾒、無関係のように感じるかもしれませんが、歴史を振り返れば、お寺は常に⼈々の悩みや苦しみを受け⽌める場所でした。

かつて、お寺が医療⾏為を⾏う場所であったり、仏さまの慈悲で苦しむ⼈々を慰める場所であったことを考えれば、現代の介護の悩みを受け⽌める場としてお寺はふさわしい場所と考えられるでしょう。

⼤切な⽅に⻑⽣きしてほしい。

この先いつまで介護の⽇々が続くのか不安。

介護者は、⽇々の仕事で不安や⽭盾する感情を抱えることがあります。しかし、その悩みを他⼈に話すことは難しいと感じている⽅も多いかもしれません。

こうした介護の悩みは、⾝近な⼈には相談しにくいものですよね。

⼈に相談しにくいことを受け⽌めてくださるのが、仏さまや阿弥陀さまの存在であり、地域のお寺なのではないでしょうか。

現代⼈にとって共通の悩みである介護について取り組むことは、檀家のみなさまにも地域のみなさまにとっても、⼤きな意味があることでしょう。

お寺には、仏様が⾒守り、⼈々の信仰に⽀えられてきた歴史があります。

⼈の苦しみや悲しみを受け⽌める”場”の⼒があります。

⽣・⽼・病・死は、⼈間の⽣きる過程において不可避なものであるとお釈迦さまが 説いています。

⽣・⽼・病・死に抗うことはできませんが、⼈と⼈が寄り添うことは可能です。

「凡夫が凡夫に寄り添う」ことを重視した、浄⼟宗の教義に適した活動と⾔えるで

しょう。


⼗念寺での介護者カフェ

⼗念寺では、これまで介護者カフェを4回開催してきました。

毎回20名以上の⽅が参加されています。中には第⼀回から⽋かさず参加いただいている⽅もいらっしゃいます。

⼗念寺での介護者カフェは、集うみなさんがひとときの休息やリラックスできることを願い「ひとやすみカフェ」と称して開催しています。


毎回、医療関係者や介護の専⾨家を講師としてお招きし、医療や介護に関するお話をうかがっております。講話後には、参加者同⼠が⾃由に意⾒を交換する座談会も開催しています。

座談会は、講話の内容についての質問や、⽇ごろのお悩みやご⾃⾝の経験を和やかに語る、温かい雰囲気の中で進⾏しています。

座談会の参加費は無料で、檀家さま以外でもご参加いただけるのも好評です。ご⾃⾝や周囲の⽅で、介護にお悩みの⽅がいらしたら、ぜひ参加をおすすめします。

介護者カフェを通して伝えたいこと

⽇本の平均寿命は伸びていますが、健康で過ごせる期間、いわゆる「健康寿命」の延⻑はそれほどではありません。その結果、介護が必要となる期間が⻑くなることも増えてきました。

ご家族が介護をする場合には以下の点に注意してください。

介護をする⾃分の体調や気持ちに注意を払う

ストレスをためないようにする

⾷事や睡眠、運動などの⽣活習慣を整える

必要に応じて医療機関や窓⼝相談を利⽤する

介護の負担を分散させるために、地域の⽀援サービスなどを利⽤する

しかし、多忙な⽣活の中で、これらのアドバイスをすべて実践するのは難しいのが 実情です。とくに、外部との接触が少ない介護者はその傾向が強くなります。

だからこそ、「ひとやすみ」できる時間を意図的に作っていただきたいと思っています。

⼗念寺のひとやすみカフェでは、ご⾃⾝の⼼⾝の健康管理や、ストレス解消法などについてのお話や、適切な相談窓⼝や⽀援サービスについてのお話も聞けます。

新しい視点やサポートの情報を得ることで、介護者⾃⾝の⼼の負担が軽減されることを願っています。

まとめ

お釈迦さまは「⼈⽣は苦である」として、「⽣・⽼・病・死」の四苦(しく)を⽰されました。

⽣まれたからには誰しも、⽼・病・死を背負って⽣きていかなければなりません。 教の基本的な教えであり、私たちの⼈⽣における⼤きな課題です。

「⽣・⽼・病・死」の苦しみは、個⼈の⼒だけでは乗り越えることはできないかも しれません。

しかし、「凡夫が凡夫に寄り添う」の教えの通り、互いに助け合うことはできます。

講話者も参加者も互いに、受容の⼼で傾聴できる「ひとやすみカフェ」の活動を、 今後も続けてまいります。