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住職の日記

お寺の名前の由来「十念」について

十念寺は、令和3年にできたばかりの新しいお寺です。

お寺の名前とした「十念」は、法蔵菩薩(阿弥陀仏が仏になる前の菩薩時代のお名前)が覚りをひらき仏となる為に誓った願(誓願)よりいただいています。

その誓願の中でも最も重要と言われる十八番目の願(十八願)と言いますが「もし我仏を得たらんに、十方の衆生至心に信楽し、我が国に生ぜんと欲して、乃至十念せんにもし生ぜずんば、正覚を取らじ」と言う願です。

この願をわかりやすくお伝えしますと
「あなた方が私の極楽浄土へ生まれ変わりたいと心から願い、十遍でも私の名を呼ぶ(称える)ならば必ず私がその願いをかなえましょう。もしその願いをかなえられぬ程度の私ならば、私は仏にはなりません。」と言うお誓いがあります。

そのため、浄土宗で阿弥陀仏の御名を十遍称えること(十念と言います)を非常に重要視しており、普段の法要の中でもよくお称え致します。

開山をする際に、どんな名前にしようかとても悩みましたが、浄土宗らしく、みんなが覚えやすく、そして阿弥陀様のもっとも大事な誓いであると言うところからとり「十念寺」とさせていただきました。

ところで、浄土宗のお念仏には尋常・別時・臨終の三種のお念仏があるのですがご存じでしょうか?

簡単にご説明しますと

  • 尋常 いつでも、どこでも思いのままに称えるお念仏
  • 別時 時と場所をしっかり定め、しっかりと称えるお念仏
  • 臨終 死の間際に称えるお念仏


と、それぞれに意味があります。

臨終の際には、菩提寺のご住職をお招きしお十念を授けていただき、極楽浄土へ往生できるようにご自身でもお念仏を称えるのがよいとされています。

しかし、9割以上の方が病院でご臨終を迎える現代では、死の間際にお念仏を称えるのはむずかしいですよね。

だからこそ、尋常(ふだん)のお念仏が大切だと思うのです。
今回は「南無阿弥陀仏」の意味や「十念」のお唱えの仕方についてお話したいと思います。

「南無阿弥陀仏」のお経に込められた意味

「南無阿弥陀仏」はどんな方でもご存知のお経ですが、その意味について考えたことはあるでしょうか?

その意味はとてもシンプルです。
南無は、発願「どうぞお願いします」、帰依「お任せします」という意味になるので「南無阿弥陀仏」とはそのまま「阿弥陀様、どうぞお願いします、お任せいたします」という意味です。

「南無阿弥陀仏」とは阿弥陀様の「我が名を称えよ」の教えに従い、お名前を称えしているお経なのです。

「南無阿弥陀仏」とは阿弥陀様の「我が名を称えよ」の教えに従い、お名前を称えしているお経なのです。

「十念」の称えかた

では、次に実際に「十念」を称えるときのポイントについてお話していきましょう。

「南無阿弥陀仏」を一息で十遍繰り返すのは息が続きませんので、「八編・二遍」と称えますが、慣れないと難しいため、大勢の人と称える際は「四編・四編・二編」と区切ってお称えすることが多いです。

初めに「ナムアミダブ」と四編称え、次も同じように「ナムアミダブ」と四編お称えします。九編目には「ナムアミダブツ」と「ツ」を入れていただき、最後には伸ばすように「ナ~ムアミダ~ブ~」とお称えします。呼吸も重要ですので、呼吸のタイングも参考にして実際に十念をお称えしてみましょう。

※ まず鼻から息をゆっくり深く吸います
※ ゆっくり息を吐きながらお称えします


 1 ナムアミダブ

 2 ナムアミダブ

 3 ナムアミダブ

 4 ナムアミダブ

※ 再び鼻から息をゆっくり深く吸います
※ ゆっくり息を吐きながらお称えします


 5 ナムアミダブ

 6 ナムアミダブ

 7 ナムアミダブ

 8 ナムアミダブ

※ 再び鼻から息をゆっくり深く吸います
※ ゆっくり息を吐きながらお称えします

 9 ナムアミダブ (9回目だけ「ツ」を発音します)

 10 ナ~ムアミダ~ブ~ (10回目は語尾を伸ばします)

毎日「十念」を称えて心を整える

実際に称えていただいた方はおわかりかもしれませんが、呼吸を意識して十念をお称えすると心がスッと整ったように感じませんでしたか?

ゆっくりと深い呼吸をしながら十念をお称えすると、自然に深呼吸ができるので心身ともにスッキリできると思います。

私たちは日々の生活の中でさまざまなストレスを抱えて生きています。
人の体はストレスがかかると、呼吸が浅くなってしまいます。
不安や恐怖を感じたときや逆にイライラしているときを思い出してください。平常心でないときほど、呼吸が浅くなっていますよね。

子どものころは、感情のままに笑ったり泣いたり、または息が切れるまで走りまわったりするので自然に深呼吸ができていました。

しかし、大人になると理性が働くので自分の感情を抑えてガマンする場面が増えます。よくも悪くも落ち着いた生活を送るのが大人というものですが、心が落ち着いている人はそう多くはありません。

なぜなら、生きている限り煩悩(ストレスや不安も含む)を切り離すことはできないからです。ストレスの多い現代人にこそ、自然に深呼吸ができるこの「十念」をおすすめしたいと思っています。

「阿弥陀様への信心を示すため」、「ご先祖様の供養をするため」というのはいったんおいて、信仰の深さに関係なく一日一度、呼吸を意識して実践してみてください。

朝起きたときに、寝る前のひとときに「十念」をお称えすることで、心が整っていくのを感じられるはずです。心が整ってくると、自分でも気づかぬうちにご先祖様への感謝の気持ちや、阿弥陀様のような姿の見えない存在に対する敬意や感謝が湧き上がってきます。

自然に湧き上がる気持ち、それこそが尊いものだと思っています。

「自分の心がスッキリするから」という理由でも
いつでも、どこでも思いのままに、とらわれなく称える尋常のお念仏の理念と一致しています。

師走の忙しさや寒さでストレスを感じている方は、ぜひ呼吸を落ち着けて十念を称えてみてはいかがでしょうか。