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お知らせ

秋彼岸― 六波羅蜜に学ぶ生き方 ―

九月二十日から二十六日まで、秋分の日を中日にした一週間を「秋彼岸」と呼びます。春のお彼岸と並び、日本人の暮らしに深く根づいた仏教行事です。

古来より「彼岸」とは悟りの世界、「此岸」とは私たちが生きる煩悩の世界を指します。昼と夜が同じ長さになる秋分の日は、太陽が真西に沈むことから「西方浄土」と結びつき、阿弥陀仏のお浄土に心を向ける大切な期間とされてきました。

彼岸と此岸

お彼岸は、ご先祖を偲び供養する機会であると同時に、自分自身の心を整える大切な一週間でもあります。その心を整える手がかりとして、仏教には「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という教えがあります。

「六波羅蜜(ろくはらみつ)」とは、「彼岸に至るための六つの実践」を意味し菩薩の修行の実践ですが、日々を生きる私たちにも取り入れることができます。

秋彼岸を控えた今回は、この六つの実践をお彼岸にあわせてわかりやすくご紹介いたします。

六波羅蜜とは

六波羅蜜とは、サンスクリット語の「パーラミター」の意訳で、「彼岸に至るための行い」という意味です。布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六つを指します。どれも難しい修行のように思われるかもしれませんが、実は私たちの生活の中に自然と取り入れられるものばかりです。

浄土宗では、阿弥陀仏の本願を信じ、お念仏を唱えることが根本ですが、この六波羅蜜の実践を心がけることで、より穏やかに日々を過ごすことができます。

六波羅蜜(ろくはらみつ)の実践

  1. 布施(ふせ)

    物だけでなく、優しい言葉や笑顔を分け合うことも布施です。

  2. 持戒(じかい)

    小さな約束や生活の規律を守ること。仏壇を清めることも立派な持戒です。

  3. 忍辱(にんにく)

    思い通りにならないことを受けとめ、怒りに心を支配されないこと。

  4. 精進(しょうじん)

    小さな心がけを日々続けること。毎朝の手合わせも精進です。

  5. 禅定(ぜんじょう)

    心を静める時間を持つこと。数分の深呼吸でも禅定です。

  6. 智慧(ちえ)

    命のつながりに気づき、正しく物事を見抜くこと。ご先祖を想うことも智慧を育みます。

六波羅蜜とお念仏

浄土宗においては、阿弥陀仏の本願を信じ、「南無阿弥陀仏」と唱えるお念仏が何より大切です。六波羅蜜は本来、本来むずかしい修行です。「布施をしよう」「怒りを抑えよう」と完璧を目指す必要はありません。お念仏を唱えながら、そのときできることを一つ実践する。それで十分に六波羅蜜の心を生きることができます。

おわりに

秋のお彼岸は、先祖供養とともに、自分自身の心を見つめ直す大切な期間です。

お墓参りや法要に足を運ぶとき、またご自宅で仏壇に手を合わせるとき、六波羅蜜のどれか一つを思い出してみてください。お念仏とともに、その心がけがきっと、安らぎと調和をもたらし、彼岸への一歩を踏み出す力となるでしょう。

なお、十念寺では下記のとおり秋彼岸法要をお勤めいたします。
どうぞご家族そろってお参りください。

秋彼岸のご案内

令和七年度 秋彼岸法要

日 程
会 場
十念寺本堂
定 員
20名程度(事前予約)事前予約
  • お布施 お気持ち程度(3千~5千円)
  • 平服でお越しください
  • 駐車場には限りがございますので、ご来場の際はなるべく公共交通機関をご利用ください。
ご予約について:
お団子のご用意をいたしますので、恐れ入りますが事前にご予約をお願いいたします。
ご連絡は、メール・LINE・お電話のいずれかで承っております。