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住職の日記

和顔愛語と先意承問の教えを胸に

新年あけましておめでとうございます。今年も十念寺をよろしくお願いいたします。

さて、新年早々から、能登半島での大地震や飛行機の事故などがあり、多くの人が心を痛めていることでしょう。そんな折、仏教の基本的な教えである「和顔愛語」「先意承問」の大切さを強く感じています。

「和顔愛語」と「先意承問」の教えは、『無量寿経』に記されており、日々の生活において、人々との関係をより深く、意味のあるものにすることを説いています。

国際情勢や自然環境などの前では、私たち一人ひとりはとても無力な存在に感じることもあります。しかし、そんなときでも身近な人々とのつながりを大切にし、力を合わせることで困難を解決していくことができます。その際に大切なことが「和顔愛語」と「先意承問」の教えに込められていると感じています。

「和顔愛語」の教え

「和顔愛語」は、穏やかな顔つきと愛情のこもった言葉遣いで、相手への敬意と思いやりを表す教えです。

この教えは、相手を尊重し、心からの優しさと理解をもって接することを促します。日々の生活の中で、家族や友人、さらには見知らぬ人々との交流においても、この教えを実践することは、相互理解と調和の促進に繋がります。

「先意承問」の教え

また、「先意承問」は、相手の意図や心情を先読みし、適切に対応する心遣いを意味します。

これは、単に言葉のやり取りにおける反応の速さだけでなく、相手の心情やニーズを深く理解し、その上で対応しようとする心がけです。自分としては善意のつもりでも、相手にとっては喜ばしいものでないこともあります。自己満足ではなく、相手に寄り添うことの大切さを説いています。日常生活はもちろん、自然災害の被災地に向けたボランティアなどを行う際にも気をつけたいことですね。 ふ

現代における教えの実践

これらの教えは、仏教が伝えられてきた数千年の歴史の中で伝え続けられてきました。どんなに社会が発展しても、人付き合いのあり方が変わっても、和顔愛語と先意承問は人々の絆を強化する重要な要素であることに変わりありません。

デジタル化が進んだ現代でも、人々の心をつなぐためのこれらの教えの重要性は、より一層高まっています。デジタルメディアの使用が増える中、私たちは、テキストメッセージやソーシャルメディアを通じてのコミュニケーションで、感情やニュアンスを十分に伝えることが難しくなっています。

ちょっとした表現の解釈の違いからいわゆる「炎上」につながったり、デジタルを通した相手の存在の希薄さから、辛辣なことばを投げかけてしまう人も増えており社会問題にもなっています。 とくに若年層では、SNSの誹謗中傷が原因で傷ついている人が多いと言います。

直接対面しない、オンラインの関係が広がっているからこそ相手を思いやり、優しいことばで接する和顔愛語の教えが大切になります。また、先意承問を日々意識していれば、具体的なことばでなくても相手の変化や悩みに気づけることもあるでしょう。

リアルでもデジタルでも、和顔愛語と先意承問を日々の生活に取り入れることは、私たち一人一人の心を豊かにし、周囲の人々との関係をより良いものに変えることができます。

新たな年を迎え、新たな出会い、新しいコミュニティに参加する機会もふえることでしょう。 これらの教えを実践していくことが、個人的な成長はもちろん、コミュニティ全体の繁栄にも寄与につながることを心に留めておいていただければ幸いです。

和顔愛語の実践

 ・穏やかな表情を心掛ける
 ・丁寧なことば遣いに注意する
 ・感謝の気持ちを表現する
 ・相手の良い点を褒める
 ・聞き手としての姿勢を大切にする

先意承問の実践

 ・相手の立場を考える
 ・質問の前に理解を示す
 ・先回りして対応する
 ・共感を示す
 ・助けを申し出る

こうして具体的にしてみると、今すぐにでも取り入れることができそうですよね。
地道な実践の積み重ねが、調和のとれた、平和なコミュニティを築くことにつながります。
新しい年、私たち一人ひとりの言葉や行動を通じて、日々の生活をより充実したものにしていきたいものです。

十念寺公式LINEをはじめました

このように、現代社会においてもお釈迦さまの教えがみなさまの心の救いになるものがたくさんあります。仏教にはこうした人が活きる上でのヒントが含まれています。

新しいお寺の在り方を実践している十念寺では、よりみなさまに身近な存在でありたいとの思いから公式LINEの運用を開始しました。

公式LINEアカウントでは、和顔愛語と先意承問の教えを実践し、お一人おひとりのご質問・お悩みに住職である私が丁寧に対応いたします。

「電話で聞くほどでもないけど…」 「ちょっと悩みを相談したい」

そんなときは、ぜひ公式LINEからメッセージを送ってください。
檀家制度とは異なりますので、宗派などを問わずご利用いただけます。

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まとめ

新しい年を迎え、十念寺でも和顔愛語と先意承問の教えを大切に檀家様、地域のみなさまとの交流を大切にしていきたいと考えております。

開山以来、「みなさまに身近なお寺でありたい」とさまざまなことに取り組んでまいりました。 公式LINEの運用もそういった取り組みの一つです。今年も、みなさまのお力をお借りしながら、地域に根差したお寺を目指してまいります。

みなさまにとって2024年が健やかで平和な一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。