「師走」の教訓?由来と過ごし方2023年も残すところ、12月を残すばかりになりました。 仙台では、急激に冷え込む日が増えましたね。 初雪は例年より7日も早かったそうです。今年はいつになく寒い冬になりそうです。 まもなくやって来る12月。和名では「師走」(しわす)です。 師走の由来は仏教から?「師走」という言葉は日本の古代から伝わる呼び名で、その由来には数々の説があります。最も一般的に知られている説は「師馳す」から来たとされています。 師走の「師」とは僧侶(寺子屋の先生でもありました)のことで、12月には僧侶が各家庭を訪れ、その家の方々の罪科(つみとが)を滅し、新しいお札を檀家の皆様へお配りことが一般的な行事として行われていました。 和名月の奥深さ忙しくなるのは、お坊さんだけではありません。 年末特有のさまざまな予定が立て込むだけでなく、心もソワソワしてくる独特の雰囲気がありますよね。一年の終わりに私たち一人一人が抱える忙しさや心の動きを象徴するのにぴったりの表現ですね。 少し気になるので、英語の月の呼び方と和名月を比較してみました。 【各月の表現の比較】
英語の月名は、ローマ神話の神々やローマの偉人にちなんだものが多いのがわかります。 私たち日本人はいつの時代も「師走」は慌ただしく過ごしているようです。 師走だけじゃない!年末を感じさせる諸説「師走」が僧侶が走るほど忙しいからという説以外にも、いくつかの異なる説が存在します。 こちらの説もたいへん興味深いのでご紹介します。
こうして見てみると、「年果つ」も「四極」も、一年の終わりを象徴することばとして適しているように思えます。仏教が日本に伝わったのは538年頃ですが、それ以前から自然と共に生活してきた日本人には、「年果つ」や「四極」の実感はあったのではないでしょうか。 私個人の見解では、先に一年や季節の終わりを表す「年果つ」も「四極」があって、仏教文化の広がりとともに「師走」が定着していったのかなと思います。 旧暦と新暦での師走旧暦の12月を指す師走ですが、新暦に移行した現在でも、この月の名称は私たちの生活に深く根付いています。旧暦での師走は、現在の1月中旬から2月下旬にあたり、寒中見舞いを送る時期でもありました。 忙しいのは新年を迎える準備のため旧暦における師走は、年神様を迎え入れるために始まる準備の月であり、非常に重要な意味を持っていました。この期間には、新年を迎える準備や年神様をお迎えするための大掃除が行われ、それぞれの家庭が一年の終わりを迎えるために必要な準備を進めていきます。 大掃除は、新たな年を清々しくスタートさせるために不要なものを取り除き、新しいエネルギーを迎え入れるスペースを作るための活動です。そのため、師走は一年の中でも特に重要な時期とされ、その準備には細心の注意が払われていたのです。 現代の師走で気をつけたいこと現代でも師走は一年のうちでも特別感があります。 忘年会やクリスマス、年末の大掃除などの他、年賀状の準備もあります。一年の終わりは、家族や友人、仕事仲間との絆を再確認し、一年間の感謝を伝える時期でもありますね。 「終わり良ければ総て良し」という言葉のあるとおり、一年の終わりを楽しく過ごせれば「今年も良い年だった」と締めくくれます。 楽しいことの一方で、インフルエンザの流行や火事や交通事故が増える月でもあります。 忙しい中でも、いつも以上に気を引き締めて過ごしたいものです。 まとめ今回は、もうすぐやって来る「師走」の語源について深堀してきました。 私も今回の記事のために、調べる前は「お坊さんが走るほど忙しい」説を信じてきました。しかし、仏教伝来以前から続く日本人の暮らしに思いを馳せると、「年果つ」も「四極」も関係しているのではないかと思うようになりました。 師走は、ただ忙しいだけの月ではなく、一年の終わりと新しい始まりを祝福するための準備の月です。 仏教の教えに関連づけるなら、「今」を大切にしながら、家族や友人との大切な時間を過ごす時期とも言えます。心身ともに健康に新しい年を迎える準備をしていきましょう。 |
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