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住職の日記

お釈迦様の浄土の教え

私たちが信仰する浄土宗の教えは『浄土三部経』という三つの経典が基本となっています。

浄土宗を信仰していらっしゃる皆さまには、これらの経典をいつの日かじっくり読んでいただきたいと思っています。

…しかし、正直なところ『浄土三部経』を読み通すのはかなり大変なことです。

現代人にとってはお経に書いてあることばがまず難しい。ことばが理解できないと、内容もなかなか頭に入ってきません。

ひとことに「浄土」と言っても、実はよくわからない…という方も多いかもしれません。

「浄土」とはすなわち、仏の国。
あまたは、どんなところだと想像しますか?

あなたの想い浮かべる浄土といえば?

みなさんが、浄土と聞かれてまず最初に思い出すのはきっと阿弥陀様の西方極楽浄土ではないでしょうか?

しかし、浄土は「極楽浄土」だけではありません。
浄土は仏の数ほどあるとも言われています。

特に大乗仏教では十方の諸仏を認めていますので、十方に仏国土である浄土が存在します。
その中でも有名なのが、東西南北にあるという「四方浄土」です。

阿弥陀様の西方極楽浄土
薬師如来の東方浄瑠璃(じょうるり)浄土

また、一仏に一仏国土の点から厳密には浄土ではありませんが、浄土弥勒菩薩の北方兜率天(とそつてん)浄土、観音様の南方補陀落(ふだらく)浄土などがあります。

仏の数ほどあるという浄土の中で「極楽浄土」が有名なのはなぜでしょう?

歴史的な観点で言えば、中国で活躍した善導大師の影響があります。
善導大師により極楽浄土の思想が確立され、阿弥陀仏信仰が大きく発展し、日本も大きな影響を受けました。

現代でも私たちが浄土といえば阿弥陀仏の極楽世界をイメージするようになったのは、善導大師が大きく関わっていると言われています。


お釈迦様が伝えた「極楽浄土」

善導大師の働きにより、広く知られるようになった「極楽浄土」。

では、お釈迦様は「極楽浄土」についてどのように語ったのでしょうか。
『浄土三部経』の中で語られていることを要約してご紹介します。

極楽とはどんなところ?

阿弥陀様の西方極楽浄土
薬師如来の東方浄瑠璃(じょうるり)浄土

また、一仏に一仏国土の点から厳密には浄土ではありませんが
浄土弥勒菩薩の北方兜率天(とそつてん)浄土
観音様の南方補陀落(ふだらく)浄土など

仏の数ほどあるという浄土の中で「極楽浄土」が有名なのはなぜでしょう?

歴史的な観点で言えば、中国で活躍した善導大師の影響があります。
善導大師により極楽浄土の思想が確立され、阿弥陀仏信仰が大きく発展し、日本も大きな影響を受けました。

現代でも私たちが浄土といえば阿弥陀仏の極楽世界をイメージするようになったのは、善導大師が大きく関わっていると言われています。

お釈迦様が伝えた「極楽浄土」

善導大師の働きにより、広く知られるようになった「極楽浄土」。

では、お釈迦様は「極楽浄土」についてどのように語ったのでしょうか。
『浄土三部経』の中で語られていることを要約してご紹介します。

極楽とはどんなところ?

十劫の昔、阿弥陀仏は成道して西方十万億の仏土をすぎた彼方に浄土を構えられました。
そして、現在でもその地で人々のために説法していると言われています。

仏土は広々としていて、辺際のない世界であり、地下や地上や虚空は荘厳をきわめ、この浄土にある華池や宝楼、宝閣などの建物もまた浄土の宝樹も、みな金銀珠玉をちりばめ、七宝乃至は百千万の宝をもって厳飾された美しい世界です。

世界は清浄であり、光明赫灼と輝いており、そこに住む人々は衣服や食べ物を意のままに得ることができるとされています。
寒からず暑からず、気候は調和し、とても住み心地のよいところです。

世界には苦しみがなく、人々はただただ安楽のうちに、修行を楽しんでいる世界です。
この上ない楽しみ…すなわち極楽の世界です。

ここで語られている「楽」とは、酒や性欲などの欲望・肉体的な煩悩と結びつく「楽」ではありません。常に説法を聞いて諸仏を供養し、自らも解脱して人々を救済できるという精神的な「楽」に満ちている場所であると言われています。

極楽浄土はだれでも行けるの?

このように極楽浄土は非常に素晴らしい場所なので、だれしもその住人になりたいと願うことでしょう。

しかし、同じ仏教でも生きている間に功徳を積み修行した人しかたどり着けないと説いたり、悟りを開いた人だけがたどり着けると説く宗派もあります。

そんな中で浄土宗の開祖である法然上人は、阿弥陀仏の本願力を堅く信じて「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで凡夫も極楽浄土へ往生することができると説いたのです。

「凡夫」とは、「煩悩」にとらわれた存在であり、片時も欲望から自由であることができない、欲望をコントロールできない存在、つまりふつうの人間です。

それまでの仏教は煩悩をから解放された「心理を悟った人」になることが大きな目標でした。そのためには、厳しい修行が必要と考えられてきました。

しかし、法然上人は比叡山で厳しい修行をいくら重ねても、いくら智慧を極めるべく学問に励んでも悟ることのできない自身の煩悩に悩み苦しまれます。
そして、凡夫である私が救われる道、それは阿弥陀仏の救済しかないと言う結論に達します。

だれもが救われる道、誰もが仏となることができる道、それは阿弥陀仏の本願力を堅く信じて「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることだという大いなる発見だったのです。

阿弥陀仏の本願力を堅く信じて「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで凡夫も極楽浄土へ往生することができる…。この教えが、身分のちがいや老若男女を問わず広く指示され今日の浄土宗につながっています。

極楽浄土の詳細は『浄土三部経』に

仏教には八万四千の法門(法の説き方)があると語られるように、実にたくさんの経典があります。

法然上人は、阿弥陀仏の本願による極楽往生・成仏が説かれている



無量寿経(むりょうじゅきょう、大経だいきょう)

観無量寿経(かんむりょうじゅきょう、観経かんぎょう)

阿弥陀経(あみだきょう、小経しょうきょう)

この三つの経典をご自分にとって本当に依りどころになる経典としてお選びになり、「浄土三部経」と名付けられました。


いわば、経典の中から法然上人がお選びになった「法然上人のお経ベストセレクション」です。
だからこそ、浄土宗を信仰されている方には、ぜひ読んでいただきたいと思うのです。


「浄土三部経」に興味が出たけど、いきなり経典を読む自信がない…という方には、
「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」をわかりやす現代語で表したこちらの書籍がおすすめです。

現代語訳 浄土三部経

監修:石上善應
編者:浄土宗総合研究所

詳しくはこちら

ぜひ、あなたも「浄土三部経」の読破に挑戦してみてくださいね。