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住職の日記

春彼岸の供養とは?墓参りだけではない「お寺の法要」の大切な意味

三月に入り、少しずつ春の気配を感じる季節となりました。
梅の花が咲き始め、日差しにもやわらかな温かさが増してまいります。

この時期になると、「もうすぐお彼岸ですね」とお話しされる方も多くいらっしゃいます。
お彼岸は、日本人にとって古くから大切にされてきた仏教行事のひとつです。

春のお彼岸は、春分の日を中日として、その前後三日間を含めた七日間のことを指します。

今年は三月二十一日が春分の日ですので、三月十八日から三月二十四日までがお彼岸の期間となります。

春彼岸の日程
彼岸入り
3月17日(火)
中日(春分の日)
3月20日(金・祝)
彼岸明け
3月23日(月)

お彼岸になると、お墓参りをされたり、ご自宅の仏壇に手を合わせたりする方も多いことでしょう。

今回は、このお彼岸の時期にあらためて考えたい「供養の意味」と、お寺で行う法要の大切さについてお話ししたいと思います。

供養は誰のため?亡き方のため、それとも私たちのため

「供養」と聞くと、皆さまはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。

多くの方は「亡くなった方のために行うもの」「ご先祖様のためにするもの」と思われるかもしれません。
もちろん、それは間違いではありません。

しかし仏教では、供養は亡き方のためだけのものではないと考えられています。

ご先祖様に手を合わせ、感謝の心を持つこと。
その行いは、今を生きる私たちの心を穏やかに整える働きがあります。

仏教では、このような善い行いを「功徳(くどく)」と呼びます。
功徳とは、善い行いによって生まれる良い影響や結果のことです。

供養は、ご先祖様への感謝を表すと同時に、
私たち自身の心を整える大切な時間でもあるのです。

命のつながりを感じるお彼岸

お彼岸は、命のつながりに思いを馳せる時期でもあります。

私たちは普段、自分一人の力で生きているように感じることがありますが、決してそうではありません。

両親がいて、祖父母がいて、そのまた前の世代があり、数え切れないほどの命がつながって、今の私たちが存在しています。

仮に十世代前まで遡れば、その人数は一千人以上になります。
さらに二十世代前まで遡れば、百万人を超えるともいわれています。

その一人ひとりの命があったからこそ、今の私たちがここにいます。

お彼岸に手を合わせることは、
その命のつながりに思いを馳せ、感謝の心を新たにする時間でもあるのです。

墓参りとお寺の法要の違い

お彼岸には、多くの方がお墓参りをされます。
ご家族でお墓をきれいにし、お花を供え、手を合わせる時間は、とても尊いものです。

しかし、仏教の供養にはもう一つ大切な形があります。
それが、お寺で行う法要です。

お墓参りは、ご家族それぞれがご先祖様に思いを向ける大切な時間です。
一方で、お寺の法要では、僧侶がお経をお唱えし、仏様の教えを聞きながら、皆で一緒に供養を行います。

仏教では、僧侶が読経し、仏様の教えに触れながら行う供養には、より深い意味があるとされています。

また、法要は亡き方のためだけではなく、私たちが仏様の教えに触れ、自分の生き方を見つめ直す時間でもあります。

忙しい日々の中で、立ち止まって自分の心を見つめる機会は、なかなかありません。

だからこそ、お寺の法要は、
私たちにとっても大切な時間なのです。

「彼岸」という言葉の意味

ところで、「彼岸」という言葉には仏教の深い意味があります。

仏教では、私たちが生きているこの世界を「此岸(しがん)」と呼びます。
それに対して、悟りの世界、苦しみのない世界を「彼岸」といいます。

春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ等しくなり、太陽が真東から昇り真西に沈みます。

仏教では、西の彼方に極楽浄土があると考えられてきました。
そのため、この時期は此岸と彼岸が最も近づく時期とされ、ご先祖様を偲ぶ特別な期間として大切にされてきたのです。

法然上人の教えとお念仏

浄土宗を開かれた法然上人は、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えることで、誰もが阿弥陀如来の救いにあずかることができると説かれました。

特別な修行をした人だけが救われるのではなく、私たちのような普通の人間でも、そのままの姿で救われる道があると示されたのです。

完璧でなくてもいい。
弱さを抱えたままでもいい。

そのままの自分で、阿弥陀様にすがることができる。
その教えは、現代を生きる私たちにとっても、大きな安心を与えてくれます。

お彼岸のこの時期、
ご先祖様を偲びながら「南無阿弥陀仏」とお念仏を称える時間を持ってみてはいかがでしょうか。

十念寺 春彼岸法要のご案内

十念寺では、下記の日程で春彼岸法要を執り行います。
どなたでもご参加いただけますので、お気軽にお越しください。

ご案内

令和八年度 春彼岸法要 概要

日程
三月二十一日(土)
時間
午前十一時から
会場
十念寺本堂
お布施
お気持ちで(三千円〜一万円程度)

※当日は平服でお越しください。
※ご参加をご希望の方は、三日前までにお電話またはメールにてご連絡をお願いいたします。
※駐車場に限りがございますので、公共交通機関または近隣のコインパーキング等のご利用にご協力ください。

おわりに

お彼岸は、ご先祖様を偲び、命のつながりに思いを馳せる大切な時間です。

お墓参りも尊い供養ですが、
お寺で皆さまとご一緒に手を合わせ、お念仏を称える時間もまた、心を整える大切なひとときです。

春彼岸のこの機会に、ぜひ十念寺の法要にも足をお運びいただければ幸いです。

皆さまとお会いできることを、心よりお待ちしております。

合掌