なむあみだぶつ──その声が山に響いた日法然上人と「大原問答」のお話京都・大原の山の中に、「勝林院」というお堂があります。 法然上人──人びとの苦しみに寄り添ったお坊さま![]() 法然上人は、鎌倉時代の初めに生きたお坊さまです。 「どうすれば、この世の苦しみから救われるのだろうか」 そんな思いで、法然上人は長いあいだ仏さまの教えを学び続け、やがて一つの答えにたどりつきました。 それが──「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)とお称えすることこそ、すべての人の救いにつながる」という教えでした。 天台宗の学者との問答この新しい教えは、たくさんの人の心に届きました。 「お念仏だけで救われるなんて、そんなに簡単でよいのか?」 文治二年(1186年)、大原の勝林院に多くのお坊さまたちが集まり、法然上人と顕真上人との話し合いが始まります。 法然上人の、やさしくも揺るがぬ思い話し合いは、一晩中続きました。 天台宗のお坊さまたちは、仏さまの教えは学びや修行が大切だと主張します。
その静かな言葉に、場の空気が変わったと言われています。 なむあみだぶつの声が、山にこだました問答のあと、聞いていた人びとは皆、心を打たれたのでしょう。 その念仏の声は、三日三晩、大原の山々に響き渡ったと伝えられています。 この出来事をきっかけに、法然上人の教えはさらに多くの人びとに広まりました。 「ただ念仏を称えるだけでいいの?」と思う方へ現代に生きる私たちも、こんな疑問を持つことがあるかもしれません。 「ただ南無阿弥陀仏と称えるだけで、ほんとうに救われるのだろうか?」 でも、法然上人はこうおっしゃっています。
「念仏とは、自分の力で救われようとがんばるものではありません。 だから、難しく考える必要はありません。 法然上人の教えは、今を生きる私たちにもいまの世の中は、情報が多く、忙しさに心をすり減らしてしまうこともあります。 そんな今だからこそ、「ただお念仏を称えましょう」という法然上人の教えは、私たちの心をふっと軽くしてくれるのです。 ご一緒に、お念仏を称えてみませんか?十念寺では、毎月25日に「お念仏の会」を開いております。 ![]() どなたでも、ご参加いただけます。 |
住職の日記