今年は梅雨の最中から暑さの厳しい日が続きましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、八月になると、私たちの暮らしに深く根付いた「お盆」の季節がやってまいります。
ご先祖さまの霊をお迎えし、感謝の気持ちを伝える日本の伝統的な行事です。
昔に比べると行事としてのお盆が簡略化される傾向もありますが、それでもなお、多くの方が心のどこかで「今年もお盆が来るな」と感じていらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、お盆の準備のポイントと、八月十四日(水)・八月十五日(木)に十念寺で執り行う「盆施餓鬼法要」について、ご案内させていただきます。
仙台のお盆はいつ?何のためにあるの?
お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教行事が由来です。古くから、先祖供養の行事として多くの人々に受け継がれてきました。
地域によって時期が異なりますが、仙台を含む宮城県内では旧暦に基づいた「八月盆(旧盆)」が主流で、八月十三日から十六日の四日間にわたって営まれます。
十三日の夕方に「迎え火」を焚いてご先祖さまの霊をお迎えし、十六日の夕方に「送り火」でお見送りします。ご家庭では仏壇やお墓をきれいに整え、お供えを用意して、静かに手を合わせる時間を持たれることでしょう。
お盆の準備は、いつから何をすればいい?
お盆の準備は、直前になって慌てるのではなく、お盆の一〜二週間前から少しずつ始めておくと心に余裕が生まれます。
とはいえ、何か特別なことをしなければいけないというわけではありません。日常の中で「ご先祖さまに思いを向ける時間」を持つことが、何よりの供養であり、お盆の意味であると私は考えております。
たとえば、
お盆の準備として、こんなことをしてみましょう。
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🌸
仏壇のお掃除とお花の入れ替え
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🪦
お墓の草取りやお線香の準備
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🍡
ご先祖さまのお好きだったお菓子や果物を用意する
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🥒
精霊馬(きゅうりの馬やなすの牛)をお子さまと一緒に作る
といったような、小さな準備でも十分です。
中でも仏壇やお墓の掃除は、「感謝の気持ちをかたちに表す」時間として、大切にしていただきたい習慣です。
仙台圏のお盆ならではの風習
仙台やその周辺地域では、古くからの風習が今も息づいています。
たとえば、精霊馬を仏前に供える風習が現在も深く残っており、毎年この時期になるとスーパーにも「きゅうりとなすのセット」が並びます。
きゅうりの馬は「早く戻ってきてほしい」、なすの牛は「ゆっくりお帰りいただきたい」という想いをかたちにしたものです。
最近では、お盆の時期になるとSNSで独自の精霊馬を披露するのも恒例となっているようです。
より早く帰って来れるようにと、きゅうりでスポーツカーやジェット機、ロボットなどを作る方もいるようです。現代風にアレンジされた精霊馬には、日本人ならではのユーモアや遊び心が感じられ、微笑ましく思います。
また、十三日の夕方〜十四日の朝にかけてお墓参りに行くのが一般的で、家族そろって手を合わせる様子も、仙台の夏の風物詩といえるでしょう。
近年は、遠方に住んでいて帰省が難しいという方も増えておりますが、そのような方は、ご自身の暮らす場所で静かに手を合わせたり、遠くの家族と連絡を取り合って思い出話をするだけでも、立派な供養になると思います。
十念寺の盆施餓鬼法要のご案内
十念寺でも、毎年お盆の時期にあわせて「盆施餓鬼法要(ぼんせがきほうよう)」を厳修しております。この法要は、ご先祖さまだけでなく、縁のない精霊やすべての亡き命に対しても供養の誠を捧げる、たいへん意義深いものです。
令和七年度 盆施餓鬼法要
日程:八月十四日(水)・八月十五日(木)
時間:午前十一時より
会場:十念寺本堂
御布施:お気持ちで(当日受付にて承ります)
当日は平服でお越しください。
ご参加をご希望の方は、準備の都合もございますので、できるだけ八月上旬までにお電話・ホームページ・公式LINEなどからお申し込みいただけますと幸いです。
お盆は「心を整える」季節です
年に一度のこの季節。お盆の準備とは、仏壇やお墓をきれいに整えるだけでなく、私たち自身の心を整える時間でもあります。
「今の自分があるのは、ご先祖さまのおかげ」
「毎日が無事に過ごせることに感謝しよう」
そんな想いを静かに心に浮かべる時間を、お盆の中で大切にしていただけたらと願っています。
「お盆」についてご不明な点はお気軽にご相談ください
お盆や法要について、ご不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
お電話でも、ホームページの問い合わせフォームからでも結構です。
今年のお盆が、皆さまにとってご先祖さまとの絆を感じられる穏やかなひとときとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。