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住職の日記

師走の心とお釈迦様の悟り

皆様、いよいよ今年最後の月を迎えました。 師走の訪れとともに、日々の忙しさが増し、慌ただしい日常に追われている方も多いのではないでしょうか。

私も毎年この時期は、年末行事や日々の法務に忙殺される中で、心がざわつく瞬間を感じることがあります。しかし、こうした時こそ、立ち止まって心を整える時間を持つことの大切さを改めて感じます。

12月8日はお釈迦様が悟りを開かれた日

12月8日は、日本仏教において「成道会(じょうどうえ)」として知られる特別な日です。この日は、お釈迦様が菩提樹の下で瞑想を重ねた末、ついに悟りを開かれた日として伝えられています。今から約2500年前、お釈迦様は「苦しみを超える道」を見出し、それが仏教の教えの礎となりました。

この日を迎えるたびに、私たちはお釈迦様の偉大な教えに思いを馳せる機会をいただいています。

お釈迦様は私たちにたくさんの教えを残してくださいました。中でも重要とされたのが、以下の3つです。

  • 「自らを深く知ること」
  • 「執着を手放すこと」
  • 「他者を思いやる慈悲の心」

これらの教えは現代社会においても変わらぬ指針であり、忙しさの中にある私たちにこそ必要なものです。

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法然上人の教えに学ぶ

法然上人浄土宗開宗850年

今年は法然上人が浄土宗を開かれてから850年という節目の年でした。 法然上人のご遺徳を改めて学び直す機会が多い一年でした。

法然上人は「学問は、自分が新たに見定めることが非常に大事である。師匠の説を受け継いで習得するのはやさしい」と言われました。この教えの通り、法然上人は仏教のみ教えを日本の時代背景に即して解釈され、形式や伝統に固執せず「専修念仏」という浄土宗の教えを打ち立てられたのです。

「自らを知り、見定めることの重要性」を説かれた上人のお言葉は、私たちに深い示唆を与えます。現代では、どんなこともスマホひとつで調べることができます。

これからは、AI技術がますます進化して、私たち人間の代わりに答えを出してくれる時代になるかもしれません。しかし、未熟でも未完成でも自分なりに考えることが大切なのではないでしょうか。

法然上人の教えは、これまでも、これからも私たちに多くの示唆を与えてくださることでしょう。

師走にこそ心を整える時間を

師走は、時間が矢のように過ぎていく季節ですが、だからこそ一瞬一瞬を丁寧に生きることを心がけたいものです。お釈迦様の悟りに思いを寄せ、「今この瞬間」に意識を向けてみてはいかがでしょうか。

例えば、朝の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む、家族に感謝の気持ちを伝える、食事を五感で味わうといった小さな行動が、心に安らぎをもたらします。仏教では「正念(しょうねん)」、すなわち「今この瞬間に心を向けること」が重要であると説かれています。

この時期、忙しさに流されることなく、自らの心と向き合う機会を大切にしたいものですね。 私もなにかと忙しい時期には、深呼吸をしてから「南無阿弥陀仏」と称え心を落ち着けています。

2025年新しい年を迎える祈り

新年を迎えるにあたり、目標や希望を胸に抱くことも大切です。 浄土宗では、どんな時も阿弥陀仏が私たちを見守り、支えてくださっていると説いています。その教えを思い出し、新しい年を明るく迎えるために、お念仏を日常の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

2024年最後のお念仏の会は12月25日(水)に14時から本堂で行います。 世間はクリスマスでにぎやかですが、ご本尊の前でお念仏を称えるのも素敵なことだと思います。

たくさんの方のご参加をお待ちしております。

2025年も良い年でありますように

今年最後の住職日記は、皆様にこの一年間にわたるご支援と温かい心遣いに心より感謝で締めくくりたいと思います。

開山以来取り組んでまいりました、「ひとやすみカフェ」や「お念仏の会」にご参加いただいている皆さま、十念寺に篤いご支援をいただいた皆様、本年もありがとうございました。

どうぞご健康に留意され、穏やかな新年をお迎えください。 来年も皆さまにとって良い年でありますように。