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住職の日記

皆為一切諸佛共所護念

新年、仏さまに護られて歩む一年を

新年に感じる不安と、仏教の言葉が与えてくれる安心

新しい年を迎えるこの季節、多くの方が「今年こそは」という思いを胸に、目標や願いを立てられることと思います。しかし同時に、世の中の不安定さや、日々の暮らしの中で感じる心配事が、私たちの心を揺らがせることもあるのではないでしょうか。

今回は、お正月にふさわしい仏教の言葉「皆為一切諸佛共所護念(かいいいっさいしょぶつぐしょごねん)」を通じて、新しい年を仏さまに護られながら歩むことの意味について、ご一緒に見つめてみたいと思います。

「皆為一切諸佛共所護念」とは

浄土宗の教えの核心にある言葉

浄土宗の教えを理解する上で、この言葉は大変重要な意味を持っています。まずは、この言葉の意味と由来について見ていきましょう。

阿弥陀経に記された仏教の言葉

「皆為一切諸佛共所護念」という言葉は、浄土宗の根本経典である『阿弥陀経』に記されています。この言葉を大意で訳すと、「念仏をとなえる者は誰もが、あらゆる仏から護られる」という意味になります。

お念仏、「南無阿弥陀仏」と称えることは、特別な修行や深い学問がなくても、誰もが実践できる、阿弥陀仏への帰依の表現です。そして『阿弥陀経』は、お念仏を称える人は、阿弥陀仏だけでなく、あらゆる仏さまから護られているのだと説いています。

日々の暮らしの中で「護られる」ということ

これは決して抽象的な話ではありません。私たちが日々の暮らしの中で、不安や悲しみに直面したとき、お念仏は心の支えとなり、静かな安らぎをもたらしてくれます。それこそが、仏さまに護られているということなのではないでしょうか。

不安定な時代だからこそ、お念仏の力を大切に

現代社会は多くの不安に満ちています。だからこそ、お念仏の持つ力が、私たちの心を支えてくれるのです。

現代人が抱えるさまざまな不安

世情は依然として不安定で、人びとの心も揺れやすい時代です。経済の先行き、健康への不安、家族や人間関係の悩み、そして自分自身の老いや死について。私たちを取り巻く不安の種は尽きることがありません。

しかし、そのような時だからこそ、阿弥陀仏の大悲に身をゆだね、お念仏の信仰生活を送ることで、静かな安らぎと確かな生きる力を育むことができるのです。

お念仏は心の糧となる

お念仏は、何か特別な功徳を積むためのものではありません。むしろ、「思うようにならない人生をまるごと受け入れてくださる阿弥陀仏」への感謝と信頼を、声に出して表すものです。

完璧でなくていい、欲望や煩悩を抱えたままでいい。そんな私たちを、阿弥陀仏は決して見捨てることなく、そのまま受け止めてくださる。その安心感が、現代を生きる私たちの心の支えになるのだと思います。

法然上人の教えに学ぶ、念仏のよろこび

浄土宗の開祖・法然上人の言葉から、お念仏を称えることの意味を改めて考えてみましょう。

「念仏にいさみある人」とは

法然上人は、こうお示しになりました。

「念仏にものうき人は無量のたからを失うべき人なり、念仏にいさみある人は無辺のさとりをひらくべき人なり」

お念仏をいやいや申している人はかぎりない宝を失うこととなり、お念仏を力強く勇んで申す人は、無辺のさとりが開かれるということです。

ここで法然上人が仰る「いさみ」とは、何か特別な熱意や情熱を指すわけではありません。それは、日々の暮らしの中で、静かにお念仏を称え続けることで、自然と心の中に芽生えてくる「よろこび」のことです。

日々のお念仏が宝となっていく

日々のお念仏には、やがて「いさみ」が加わり、平生のお念仏がいつしか宝となっていきます。信心も深まり、極楽往生を願う心も強くなってきます。よろこび勇んでお念仏をとなえる人には、「無辺の悟」が得られるようになるのです。

お念仏は心の糧であり、悲しみ苦しみへの備えでもあります。日々お念仏を称えることで、いざという時に、私たちを支える力になってくれるのです。

新年を機に、念仏のある暮らしを始めてみませんか

新しい年を迎えるこの時期は、何か新しいことを始めるのにふさわしい季節です。もし、お念仏に馴染みがない方、どうやって称えるのか分からないという方がいらっしゃいましたら、ぜひこの新年を機に、お念仏を日々の暮らしに取り入れてみませんか。

お念仏は、特別な場所や時間を必要としません。朝起きたとき、夜眠る前、ふとした合間に「南無阿弥陀仏」と静かに称えるだけで十分です。

十念寺では、毎月25日にお念仏の会を開催しております。お念仏を称えることに馴染みがない方も、どうぞお気軽にご参加ください。最初は半信半疑な方も、お念仏を称えた後はスッキリとした笑顔でお帰りになります。

また、お念仏についてのご質問やご相談は、LINEからもお気軽にお問い合わせください。

本年も仏さまに護られて歩むために

本年もお念仏に根ざした潤いのある生活がつづく一年でありますよう、心から念じております。

「皆為一切諸佛共所護念」

念仏をとなえる者は誰もが、あらゆる仏から護られる。

この言葉を胸に、新しい年を、仏さまに護られながら、穏やかに歩んでいきましょう。

完璧でなくていい。思うようにならない日があってもいい。そんな私たちを、阿弥陀さまはまるごと受け止めてくださいます。

どうぞ、新しい年が皆さまにとって、心穏やかで、仏さまの慈悲に包まれた一年となりますように。

南無阿弥陀仏。