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住職の日記

これだけ整えれば安心!仙台のお盆Q&A

お盆は、ご先祖さまをお迎えし、感謝のお念仏を捧げる大切なときです。

なかでも、故人が旅立って初めて迎えるお盆は「新盆(にいぼん)」と呼ばれ、心を込めてお勤めしたい節目です。地域によっては「初盆(はつぼん)」とも呼ばれます。

この記事では、十念寺の住職として、仙台での新盆の準備と浄土宗の考え方をQ&A形式でわかりやすく整理しました。

迷いやすいポイントにも、一つひとつお答えします。

新盆とは?

新盆は、亡くなられてから初めて迎えるお盆のこと。

一般には「四十九日(忌明け)後に迎える最初のお盆」を指しますが、四十九日前にお盆が来る場合の扱いは地域の違いがあります。

迷われたときは、まずは菩提寺へお尋ねください(十念寺でも個別にご相談を承ります)。

大切なのは、形に縛られすぎず、故人を偲ぶまごころを整えることです。

2025年の仙台のお盆の日程

仙台周辺では旧盆に合わせ、2025年は8月13日(水)〜16日(土)が一般的なお盆の期間です。

13日が「盆入り」、16日が「盆明け」。

ご家庭では、迎え火・お墓参り・送り火など、地域の習わしやご家族の状況に応じてお勤めください。

新盆の準備:最小限のポイント

新盆の準備は、特別な物をたくさん用意するよりも、基本を丁寧に整えることが何より大切です。

目安として盆入りの前日までに場所づくりを済ませましょう。

新盆の要点は「場所・灯・香・花・水・飲食」の基本を丁寧に整えることとされています。

以下に、それぞれのポイントを詳しく解説します。

場所(精霊棚/盆棚)

仏壇の前に小さな台やトレーを置き、位牌・花・香炉・燭台・浄水・お供えを整えます。
直射日光・エアコンの風・人の動線は避け、落ち着いて手を合わせられる一角に。小さなお子さまやペットがいるご家庭は、目線より高めか壁寄せにすると安全です。白い布を一枚敷くと、場が整って見えます。

灯(あかり:ろうそく・白提灯・行灯)

灯は仏さまの智慧を象徴します。ろうそくは安定した燭台に立て、就寝時・外出時は必ず消灯を。
新盆は白無地の提灯を1つ用意するのが一般的です(翌年以降は絵柄入りでも可)。
室内や高温時はLED・電池式の併用も安全です。点灯は盆入りからで差し支えありません。

香(線香)

香りは身心を清め、場を整える意味があります。朝夕やお参りの折に一束(または1本でも可)ともし、換気もしながら静かに合掌します。香炉の灰は乾いた状態を保ち、こまめに灰をならして倒れにくくします。香立てや受け皿は焦げ対策の不燃マットが安心です。

花(供花)

四季の花や仏花をさわやかに生けます。長持ちするよう茎を斜めに切り戻し、花瓶は毎日水替えを。香りが強すぎる花や棘のある花も差し支えありませんが、量は控えめにして落ち着いた印象に整えます。枯れた花はすぐに手当てし、清潔を保ちましょう。

水(浄水)

朝に汲みたての水を小さな器に供えます。毎日取り替えるのが目安です。器は洗って拭き上げ、水滴やぬめりを残さないようにします。暑い時期は器を小ぶりにし、こまめに入れ替えると衛生的です。

飲食(お供え物)

果物・お菓子・故人の好きだったものを少量ずつ。暑い季節は傷みに注意し、のちほど感謝して家族でいただくか、衛生面に配慮して処分します。小皿や和紙・ラップを用いて清潔に。
量よりも、まごころを大切にしてください。

その他の準備

精霊馬(きゅうりの馬/なすの牛)は、「早くお迎えし、ゆっくりお送りする」願いを込めたお供えです。ご家族、とくにお子さまと一緒に作ると学びの時間にもなります。

小さな手作りを通じて、家族みんなでご先祖さまをお迎えしましょう。

新盆のよくある質問に住職が答えます!

実際に多くいただくご質問をまとめました。
ご家庭の状況によって最適解は異なりますが、判断のめやすになれば幸いです。

新盆・お盆の準備でよくあるご質問

Q1 白提灯はいつ飾って、いつ片づけますか?
A1

盆入りの13日に飾り、明かりをともします。盆明けの16日、すべてのお勤めが済んだあとで感謝を込めて片づけましょう。新盆は白無地を1つ。翌年以降は絵柄入りでも差し支えありません。

Q2 精霊棚を置く場所がありません。
A2

小さなテーブルやサイドボードの上にトレーを敷き、位牌・花・浄水・灯・香・飲食を整えれば十分です。大切なのは“心が落ち着く場所”をつくること。無理のない範囲で整えましょう。

Q3 四十九日をまたぐ微妙な時期です。新盆の扱いは?
A3

地域差があるため、まずは菩提寺にお尋ねください。十念寺では、ご事情に合わせて最もよい形をご提案します。

Q4 故人の好物をお供えしてもよいですか?
A4

もちろん結構です。浄土宗では、形式よりもまごころを大切にします。量は控えめに、暑い時期は傷みに注意し、衛生的に扱いましょう。

Q5 火の取り扱いが不安です。電池式の提灯やLEDでも大丈夫?
A5

ご家庭の安全が第一です。屋内では電池式の灯りを併用しても差し支えありません。炎を用いる場合は必ず目の届く範囲で。就寝時・外出時は消灯を徹底してください。

Q6 お墓参りと自宅でのお勤め、順番は?
A6

いずれが先でも差し支えありません。ご家族が集まりやすい時間に合わせ、無理なく計画してください。難しければ、数日に分けて丁寧にお勤めしてもよいでしょう。

Q7 ご近所や親族へのご挨拶・返礼はどうすれば?
A7

最近は簡素にするご家庭が増えています。お供えをいただいた際は、手書きの一筆や小さな品でお気持ちをお返しするなど、無理のない形で結構です。挨拶状の文面もご相談ください。

Q8 写真や遺品はどこに置くべき?
A8

位牌と並べて写真立てを置き、派手になりすぎないように。遺品は一点だけに絞ると心が落ち着きます。毎日軽く拭き、清潔を保ちましょう。

Q9 子どもが小さく、落ち着いて手を合わせられるか心配です。
A9

短い時間で大丈夫です。「ありがとう」の一言と合掌だけでも尊いご供養。精霊馬づくりなど、関わりやすい作業を通して心を寄せる工夫もよいでしょう。

Q10 お供え物はあとでどうすれば?
A10

痛みやすいものは早めに下げ、家族で感謝していただくか、衛生面に配慮して処分します。花瓶の水は毎日替え、器具は清潔に保ちましょう。

Q11 白提灯は屋外にも下げますか?
A11

昔ながらの和紙製の提灯は風雨で破損しやすいため、基本は屋内での掲げ方をおすすめします。やむを得ず屋外に下げる場合は、風雨対策(短めの吊り・固定)と防火配慮をしてください。

Q12 お布施や塔婆の申し込みはいつまで?
A12

ご希望がある場合はできるだけ早めにお知らせください。金額はお気持ちで結構です。不安な方は遠慮なくお尋ねください。

新盆は形よりも、まごころを込めて準備を

新盆は、故人への「ありがとう」を静かに確かめ直す尊いひとときです。

形を整えるよりも、「できる範囲で丁寧に」を合言葉に、家族が集いやすい時間に手を合わせましょう。

灯りをともし、香を焚き、花と浄水を整える――その一つ一つの所作が、阿弥陀さまのお慈悲に照らされる“心の準備”になります。

迷われたときは、どうぞ遠慮なく十念寺の公式LINEからお気軽にお尋ねください。

令和七年度 盆施餓鬼法要のご案内

十念寺では、下記の日程で盆施餓鬼法要を開催します。
事前のお申込みは必要となりますが、どなたでもご参加いただけます。

どうぞ、ご家族でご参加ください。

日程:八月十四日(水)・八月十五日(木)

時間:午前十一時より

会場:十念寺本堂

御布施:3,000円程度(当日受付にて承ります)

詳細・お申込み:令和七年度 盆施餓鬼法要のご案内はこちら